【のん3rdフルアルバム「Renarrate」 発売記念】オフィシャルインタビュー公開!
9月3日(水)に発売した、のん3rdフルアルバム「Renarrate」。
発売記念として、のんがアルバム全体、1曲ずつについて率直に語ったオフィシャルインタビューをお届けします。
――アルバム『Renarrate』、のんさんが切り拓いてきた道のりが物語のように見える作品だと思いました。しかも「のんバンド」としてのサウンドを確立させながら、ロックにおける表現のバリエーションが広がっていることを感じました。なぜ、今回「Renarrate=語り直す」というテーマでアルバムを作ろうと思ったのか、というお話から聞かせていただけますか。
音楽の中では強い自分像を押し出すことを大事にしていたんですけど、2年前に出したアルバム『PURSUE』で、自分の弱みや柔らかいところを見せても自由に活動していけるんじゃないかということに気づけて。『PURSUE』までも自分の感情を発露させてはいたのですが、それを『Renarrate』では、物語を紡いだり映画を作ったりするように曲を作ることで語り直したいなと思っていました。自分が納得いかないこととか、「こういうふうに生きていきたいよね」というメッセージに、客観性を持ったストーリーをくっつけているイメージです。曲を聴いた人がそれぞれの情景を思い浮かべて自分の体験と結びつけられるような、そういう視点を持って語り直してみたので、映画を観たあとのような感覚になってくれたらいいなと思います。
――そもそもなぜ『PURSUE』の時期に「ポジティブな面だけじゃなくて弱さも見せていい」と思えたのか、そして今なぜそれを「語り直したい」と思ったのでしょう。
役者として演じるときも、映画やMVの監督として取り組むときも、登場人物の弱いところやウィークポイント、ネガティブな部分を掘り下げていくと、どんどんその人物が魅力的になっていくと思っていて。そう思っていても「音楽は音楽で見せたい」という気持ちが『PURSUE』を作る前は強かったんですけど、より音楽の威力を増やしたいなと考えたときに、音楽の自分と役者としての自分が交わるように表現していけたらいいんだなというふうに理解し始めたんです。そうすると弱いところや情けないところ、悔しかったこととかも深掘りして、それを表現していくことに抵抗がなくなりました。
――のんさんほどの役者としての実力を活かすなら、音楽の中でフィクションのキャラクターを演じても、それはそれできっと素晴らしいポップスができあがるだろうなと思うんです。でものんさんが「自分」という人間を赤裸々に歌っているからこそ、ここまで心が動いてしまう音楽ができあがっているとも思うんですけど、なぜのんさんは音楽の中で「自分」を表現し続けるのでしょう。
私が、作った人の人生を思い浮かべられるような曲を好むからかもしれないですね。ファンタジックな歌詞だとしても、「この人はこういうふうに思考しているんだ」「こんなことを普段考えているのかな」って、たとえ勘違いだとしても想像できるような曲に思い入れが生まれるので、自分の曲も、聴いてくれた人にそういう思い入れを持ってもらえたらなと思っています。
▲「Renarrate」NON KNOCK版ジャケットアザーカット
――今回のアルバムは、のんさんとギタリスト・ひぐちけいさんの二人を中心に全12曲を完成させた作品になっています。それによってアルバム全体を通して、オムニバス映画ではなく、1本のストーリーを見るような統一感と重厚感が生まれているとも思ったのですが、今回そういった制作方法を取ったのはどういう理由からですか?
今までは憧れの人たちに楽曲提供していただく形でアルバムを作ってきて、「たくさん知ってもらっているのは役者業としての自分だから、そうあるべきだ」というふうに思っていたんです。でも、そろそろ「私は真剣に音楽をやっているんだよ」というところを見せたいなと思って。自分の音楽が企画モノだとは思われたくない。お膳立てされてやっているわけでもない。そういうことを見せられるアルバムを作りたいなと思っていました。けいさんは、音楽を始めてからずっとギターを弾いてもらっていて、今はバンマスもお願いしていますし、私が作った映画(『Ribbon』)の劇伴も担当してもらったりしているほどの「音楽のパートナー」なので、今回けいさんと二人で作ることを決めたんですけど、それは大きな決断だったなと思います。けいさんが曲を書いてくれて私が歌詞だけを書いているものもあるんですけど、半分は自分で作曲もすると決めていたので、ボツにしたものも含めるとこのアルバムに入れた曲数よりももっと書いていて……「あ、もう枯れた」みたいな瞬間がありました(笑)。
――枯れたときは、何が「水」になったんですか?
2年もかけていたので、制作のあいだに違う仕事もあって、役者として演技しているときに水を注いでもらった気がします。「やっぱり演技って楽しいな」と感じられる瞬間があったときに、表現することの楽しさからは抜け出せないなと思いました。あと、チバ(ユウスケ)さんのトリビュートのライブ(「オハラ☆ブレイク’24 愛でぬりつぶせ」)で2曲カバーさせてもらったんですけど、枯れた状態で飛び込んでいったら本当に楽しくて、それも水でした。甲本ヒロトさん、吉井和哉さんとかたくさんの方が出られていて、もう耳に入ってくる音がかっこよくて。ライブが終わって袖にはけたら、ヒロトさんに「ロックンローラーだね」って言ってもらえて、「うわあ、音楽やってきてよかった」って思ったんですよね。「報われた」みたいな気持ちになりました。
――それは一生、自分を支えてくれるような言葉ですね。ここからは『Renarrate』全曲解説という形で、全12曲、のんさんに1曲ずつ語ってもらえたらと思います。1曲目は「フィルムの光」(作詞:のん/作曲:のん)。以前、奇妙礼太郎さんと対談取材をさせてもらったときに「演技よりも権力とか演技以外のものが1位にあったり、演技が“圧倒的1位”じゃなかったりする人を見ると、けっこうプリプリしちゃう」というお話をされていたのが印象的だったのですが、演技の尊さや人間の感情を何よりも大事にされているのんさんらしさが表れている曲だなと思いました。
これは本当に、自分が歯痒く思っている部分を吐露したような曲になりました。大好きな映画を観たような瞬間にたくさん出会いたいという想いで作った曲であり、「窮屈さもあるけど、自分が信じるものは残っている」ということを確かめるような曲になっています。映画をモチーフに作っていったので、今までの私だったらあまり書かないような言い回しとかも書けた気がします。〈あなた以外僕の光〉とか、ちょっとキザな言葉も書いてみたんですけど、こういうのは自分だと照れくさくて、映画に心酔している主人公の物語を描きたいと思っていたので書けたものですね。
――1音目のドラムの音からアルバムの幕開けとしてかっこよくて、しかもメロディも素晴らしいですね。
嬉しいです! これ、自分でもすっごく気に入っていて。コード進行やメロディも、普段自分が作っているものよりも切なくてチリチリした感情が乗っかってほしいなと思いながら作りました。編曲は、柴田(隆浩/忘れらんねえよ)さんらしい孤独な男の子の心情とこの曲がリンクするかなと思って、柴田さんにお願いしたんですね。そしたらめっちゃかっこいいデモを上げてくださったので、すごく嬉しかったです。
――2曲目は「Renarrate」(作詞:のん/作曲:ひぐちけい)。アルバムを表すタイトル曲になっています。
これもすっごく好きなんですよね。けいさんがずっと「のんちゃんらしいバンドの曲の音色を模索したい」と言ってくれていて、だからこそアルバムで一緒にやりたいなと思ったんですけど、その第1弾が「春を受けて立つ」(2025年1月リリース)だったんですね。それで「春を受けて立つ」みたいな方向性でもう1曲作りたいとお願いしたのがこの曲です。制作期間中はけいさんもスランプに入ったりして、この曲を作るときは「春を受けて立つみたいな曲」と思ったら全然納得いくものができなかったみたいで。でもけいさんの家に行って「デモの切れっ端を全部聴かせて」って言ったら、その中に「Renarrate」があったんです。けいさんが煮詰まっているときに色々な作り方を試行錯誤して、「私が書いた詞から、詞先で曲を作ってみるのもいいかもしれない」という話もしていた中で、私から言葉の羅列を投げたらこのサビが来て、それがめちゃくちゃよくて。「春を受けて立つ」はお日さまの下や春の陽気の中で流れるような曲ですけど、これはデモを聴いたときから日が沈んだ真っ暗な中で車のランプとかで照らされているような情景が浮かんだので、そういうふうにAメロやBメロの詞を書いてみました。
――今の話を聞いて、この曲の「未知な道を歩む」というテーマはのんさんの人生を表しつつも、アルバムの制作過程も表しているようだなと思いました。3曲目は「夢の味」(作詞:のん/作曲:ひぐちけい)。大人になって扉が閉まっている「子ども心」を開けてくれて、その上で抱きしめてくれるような曲ですね。
けいさんが「ラップみたいなものもやってみたい」ってずっと言っていたんですよね。それで「こういう方向性も新境地でありな気がするんだけど」って緊張した面持ちで送ってきたのが「夢の味」でした。「夢の味」の歌詞は、かなり試行錯誤した気がします。いつもはスマホのメモに歌詞を残しているんですけど、煮詰まっちゃったからノートにでも書いてみようと思って。朝起きてペンを持って、アナログで言葉をつらつらと並べているうちに、「宝箱を持っている」「お菓子」とかを寝ぼけ眼で書いていた気がします。意識朦朧としながら書いていましたね。脳みそを通さずに口に出しているときってあるじゃないですか。そういう感じで書きました。
――本当に半分「夢」の中にいるような状態で出てきた言葉だったんですね。
逆にラップの部分は生活感やリアルな空気感が出ているので、面白い曲になったなと思います。これまでラップの歌詞はあまり作ったことがなかったから、先にAメロ、Bメロ、サビを書いて、ラップパートはこれの20倍くらいの言葉を書いてけいさんに丸投げしたんですよ。そしたら、そこから抜き出して組み立ててくれてこの歌詞になりました。
――「夢の味」で表現している「子ども心」は、常にのんさんの核心にあるものですか?
「子ども心」は自分の中で大事なテーマですね。こういう仕事をしていると、際限なく表現することとか、際限なく勉強する好奇心みたいなものが大事になってくると思うんですね。そういう好奇心や探求心をなくしたら才能が終わるという脅迫観念みたいなものもある。だから表現をやっていく限り、子ども心を失いたくないなと思います。
▲「Renarrate」撮り下ろしブックレットアザーカット
――4曲目は「クライミー」。これは作曲がひぐちけいさん、作詞がお姉さんのヒグチアイさん(作家名義は「樋口愛」)、樋口姉妹の貴重な共作によって生まれた曲ですね。
特別ですよね。けいさんからこの曲が上がってきたとき、なかなかこういう曲調のものは自分から出てこないし、歌詞も思いつかないなという感じになっていたら、けいさんが「あいぽに頼んでみようかなって思うんだけど」と言ってくれて。アイさんが詞を書いてくれたらこの曲が何倍にも膨れてくれそうだなと思ってお願いしたら、翌日くらいにはアイさんから歌詞が上がってきて、驚きと喜びがありました。けいさんがアイさんに「相手を睨みながら悔し涙を流しているような、そんなのんちゃんの姿勢が好き」みたいなことを言って、そこからアイさんが〈ファイティングポーズで泣いてる〉って書いてくれたんですよね。
――〈ごちゃまぜなこの心 わたしだけのもの/誰にもあげない〉、〈大嫌いとか許さないとか/口にするとさ ブーメランみたいに/わたしの胸の奥 ザクザクって棘刺さる〉とか、人間の心が震える瞬間を大事にしていて、それを踏みにじってくるものに真っ直ぐ怒りを抱くのんさんらしさが滲み出ているなと思いました。のんさんのことをよく知る姉妹が思う、のんさんの魅力が詰まっている曲ですね。
そういうふうに書いてくれたようです。この歌詞、私もすっごく好きです。
――5曲目は「迷惑な隣人」(作詞:のん/作曲:のん)。夜に音楽を書いているのんさんの情景が浮かんできましたけど、これはどういうときに作った曲ですか?
「迷惑な隣人」って、自分のことなんですけど(笑)。夜に衝動が湧くタイプだから、お布団に入って眠れないとき、ギターを持って歌いながら作曲していたりするんですね。でもある日、マンションのエレベーター前に「ペットの鳴き声、楽器の演奏、大きな声で歌う行為への苦情がきております。控えましょう」みたいな張り紙が貼られていて、「私のことだったらどうしよう、やばい!」と思って書いた曲です。こういう映画のシーンがありそうだなっていうイメージで書いていきました。
――その張り紙が貼られて以降、作曲はどうしているんですか?(笑)
大人しくするようになりました(笑)。エレキをアンプに通さずに弾きながら作るようにしています。
――6曲目は「水を」(作詞:のん/作曲:のん)。自分の心の震えを大事にしつつ、聴き手にとって心が震える瞬間を音楽で作っている、そういうのんさんのスタンスを表す曲だと思いました。
この曲は自分の癖を壊して、今まで作ったことのない曲を作ろうって決めて作った曲でした。サビも、今までは4つのコードを繰り返しているようなシンプルなものが多かったんですけど、ちょっと崩して全然違うタイプのサビを作りたいなと思っていました。「今までだったらこういうふうにしていたけど、あえてそらしてみよう」という感じで作りましたね。歌詞もポエミーな言葉の並びや比喩表現を入れました。
――「水」は、何を表すための比喩表現だったと言えますか。
アルバム制作中にずっとアウトプットして、自分が枯れていくことを感じていたときに、たとえばお家で作ったご飯食べるとか、温泉旅行に行ったり、美術館や映画館に行ったり、そういう日常的な時間を大事にしたいなと思ったんですよね。そういうときに作った曲です。だから水とは「当たり前のような生活」だと思います。
▲レコーディングにて、曲についての話し合い
――7曲目は「きれいな靴はいて」。これは唯一、作詞作曲ひぐちけいさんによるものですね。
けいさんが作詞作曲したのはこれが初めてだと思います。わけを聞いてみたら、本当に大事な曲で、むしろ部外者が立ち入ってはいけないような神聖な曲だなって思ったんですよね。けいさんのおばあちゃんが亡くなって、おばあちゃん子だったから喪失感が大きくて、おばあちゃんに自信を持って「自分はこんなふうに生きているよ」っていうのを見せたい、という曲なんだということを聞いて。そんな特別な曲を私に任せてくれて責任重大ですね。
――のんさんの歌声を通すことで、けいさんにとってよりおばあちゃんに胸を張れるものになったのだろうし、おばあちゃんも喜んでいるんじゃないかなと、勝手ながらに想像します。8曲目は「春よ受けて立つ」(作詞:のん/作曲:ひぐちけい)。この曲の背景はさっき語ってくれた通りであり、このアルバムを2人が共同で作ることにしたきっかけの曲ですよね。そして9曲目は「秒針」(作詞:のん/作曲:のん)。この曲もアルバムの重要なポイントになっている気がします。
これはもう何にも考えず、本当に気楽に作った曲です。「シンプルな私」って感じ。
――そういうモードだと、パンキッシュなものが出てくるというのがやっぱりのんさんの面白さですね。
そうですね。気を抜くとパンクな感じになるんだなって、自分でもびっくりしました。煮詰まって「もうダメだ」「どうしようかな」みたいなときに手癖で作っていたら、この曲になったという感じです。だから「私は何も変わらない」「人間って変わらないね」っていうのが表れている曲です。色々積み上げてきたのに、結局思考を巡らせなかったらこうなるんだねって。
――そこで権力や誰かが利権を得る体制とかに対する反抗的なメッセージが、パンクな音楽性とともに出てくるのが、のんさんの爆発的な魅力だなと思います。10曲目は「苦い果実」(作詞:のん/作曲:のん)。
これは、私にしてはちょっと色っぽい感じの曲ができたなって思います。これも「今まで作ったことないような曲をやりたい」「役者と音楽が交わるような曲を作りたい」という中でできた曲です。演技をするとき、その役のペインを考えて、ペインで裏付けられるように解釈していくことを大事にしているんですけど、音楽でもペインがこもるようにということを大事にしていて、そこが暗い感じで表れている曲だと思います。自分とは違う登場人物を作って、その人が語っているように書いた曲なんですね。〈食らいついた僕〉の見ている先にいる人のほうが自分に近い気がしています。
――でもサビの〈鼓動が道を教えてくれたから/輝く夢は走り続けるだろう〉とか、自分の鼓動を信じて、道が見えない中でも走り続けてきたのんさんを表している歌詞だなって思いました。
やっぱり、完全に自分からは離せないんですね。きっと今の私というよりは、鬱屈していたときの自分、無我夢中でやっていたときの自分がここにこもっているかもしれないです。それも大事な時期でした。
▲レコーディングにてボーダーの二人
――11曲目は「愚か者の僕と君」(作詞:のん/作曲:のん)。〈誰かに削られるのさえそれも人生だって そんな幻想空想お先、真っ暗 壊せ〉という一行が最高です。しかもここの「壊せ」のメロディとシャウトが、めちゃくちゃ気持ちいいですね。
ありがとうございます! 実は私が作ったところは、その始まりの2行だけなんですよね。あとはけいさんが作りました。けいさんが煮詰まっていたときに「私が作った切れっ端をいっぱい投げるので、ちょっとでもピンときたら自由に作っちゃってください」って喝を入れてできあがった曲なんですよ。だから「作曲:のん」って言っていいのかなという気持ちがあったんですけど、「のんちゃんのサビからきてるし、のんちゃんが作った曲です」って言ってくれて。
――そのサビに、「秒針」でもナチュラルに出たような、のんさんが一番大事にしたいコアの部分がストレートに表現されていますね。
私が作ったサビはパンクな感じで、それをけいさんが『Renarrate』的に作ってくれたのだと思います。最後の大合唱の歌詞が難しくて、ギリギリまで全然思い浮かばなくて。2回目のレコーディングの前日にようやく上がりました。
▲レコーディングの度にリンクコーデの二人
――〈愚か者は僕と君/叫ばないと生きていけない〉の合唱、すごくエモーショナルでこの曲を引き立てているなと思いました。そして最後は「子うさぎ」(作詞:のん/作曲:ひぐちけい)。のんさんの弾き語りがボーナストラックとして収録されていますが、これ、すっごく可愛い曲ですね。
けいさんが「ボーナストラック的な曲を作りたい」「のんちゃんとひぐちけいだけの音源を作りたい」って言って投げてくれました。こういうお気楽な曲がアルバムに入ってくるのもいいなと思って、遊びを入れた感じの曲になっています。歌詞は、私が作った絵本(「キュートなうさちゃん。ひげの会」)のうさちゃんをモチーフにしました。うさちゃんが「かっこよくなりたい」って言って模索していく物語なんですけど、迷っている姿とか、森の中でああでもないこうでもないってなっているようなうさちゃんを描いて、「自分の好きや憧れを大事にしよう」っていう曲ですね。強いところばっかり見せていたけど、強さも弱さもどっちもあることを受け入れる、というラストになっています。
――なぜ今「Renarrate=語り直す」という命題を掲げたのか、という質問を最初にさせてもらいましたけど――ここまで話を聞いて、さっきご自身で「大事な時期」とおっしゃったような、のんさんとしてまだ道が見えなかった時期を耐え抜けて、自分の光をちゃんと見つけられた今だからこそ、自分を語り直すことができたのかなと感じました。そういった感覚はありますか?
あ、そうかもしれないです。自分の情けないところをあまり人には言ってこなかったような頃の自分から、強い自分に至るまでの道のりが見える構成になっているので、自分の人生が凝縮されたような作品になった感じがします。
Interview&Text:矢島由佳子
▲ボーカルレコーディング後の、のん
■のん3rdフルアルバム「Renarrate」商品概要
<Track List>
1.フィルムの光(作詞:のん / 作曲:のん / 編曲:柴田隆浩)
2.Renarrate(作詞:のん / 作曲:ひぐちけい / 編曲:ひぐちけい)
3.夢の味(作詞:のん / 作曲:ひぐちけい / 編曲:ひぐちけい)
4.クライミー(作詞:樋口愛 / 作曲:ひぐちけい / 編曲:ひぐちけい)
5.迷惑な隣人(作詞:のん / 作曲:のん / 編曲:柴田隆浩)
6.水を(作詞:のん / 作曲:のん / 編曲:ひぐちけい)
7.きれいな靴はいて(作詞:ひぐちけい / 作曲:ひぐちけい / 編曲:ひぐちけい)
8.春よ受けて立つ(作詞:のん / 作曲:ひぐちけい / 編曲:ひぐちけい)
9.秒針(作詞:のん / 作曲:のん / 編曲:ひぐちけい)
10.苦い果実(作詞:のん / 作曲:のん / 編曲:ひぐちけい)
11.愚か者の僕と君(作詞:のん / 作曲:のん / 編曲:ひぐちけい)
12.子うさぎ(BONUS TRACK)(作詞:のん / 作曲:ひぐちけい / 編曲:ひぐちけい)
<概要>
発売日:2025年9月3日(水)発売
収録曲数:12曲
・通常盤
形態:CD(撮り下ろしブックレット付)
価格:3,300円(税込)/ KRCD-00013
・のんオフィシャルファンクラブ「NON KNOCK」盤
形態:ビッグサイズジャケットCD
価格:6,900円(税込)/ KRCD-00014
配信はこちら
https://linkco.re/1ybv91Vb?lang=ja
TOWER RECORDS
tower.jp/item/6928728
Amazon
amzn.asia/d/02De3KJ
NON GOODS SHOP
https://nongoods.jp/products/renarrate
■「Renarrate」ツアー概要
「NON Renarrate tour 2025」
福岡公演:9/12 (金) OPEN 18:30 / START 19:00(会場:福岡 INSA)※SOLD OUT※
大阪公演:9/19 (金) OPEN 18:30 / START 19:00(会場:Yogibo META VALLEY)
仙台公演:9/21 (日) OPEN 16:30 / START 17:00(会場:仙台darwin)
東京公演:9/23 (火・祝) OPEN 16:15/START 17:00(会場:恵比寿ガーデンホール)※SOLD OUT※
チケット券種全公演共通:
¥8,500(税込/1D代別)
U25割 ¥4,500(税込/1D代別)
※恵比寿ガーデンホールは指定席、その他は自由席となります。
e+ https://eplus.jp/non
ぴあ https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=D5310018
ローチケ https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=395588
<のんプロフィール>
俳優・アーティスト。音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動。
2016年公開の劇場アニメ「この世界の片隅に」主人公すずの声を演じ、第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞を受賞。2020年12月、主演映画「私をくいとめて」で第33回東京国際映画祭 TOKYOプレミア2020部門 観客賞)。2022年2月に自身が脚本、監督、主演の映画作品「Ribbon」公開(第24回上海国際映画祭GALA部門特別招待作品)。
2022年9月、主演映画『さかなのこ』で、第46回日本アカデミー賞「優秀主演女優賞」を受賞。2023年12月より世界配信されるNetflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」では、主人公ハルの声を務める。
2024年12月、主演映画「私にふさわしいホテル」公開。2025年2月、DMMTVでの実写ドラマ「幸せカナコの殺し屋生活」。4月、Netflix映画「新幹線大爆破」、9月、ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』、10月には映画「アフター・ザ・クエイク」「てっぺんの向こうにあなたがいる」公開予定。
音楽活動では、2025年5月、8月に中国・東莞と北京で開催された『STRAWBERRY MUSIC FESTIVAL 2025』に出演。9月3日、3rdフルアルバム『Renarrate』をリリース。同月にアルバムツアーで全国4都市を回る。
また、俳優・音楽・映画・アートといった枠にとらわれず、自由な表現に挑み続けてきた創作活動が評価され、2024年に第16回伊丹十三賞を受賞。