創作あーちすと'のん'のリボンアートが日本建築を彩る9日間「ikuno art stay 2023 non ribbon art」展示レポート
兵庫県の生野町(朝来市)で開催された、NPO法人J-heritageが主催する「ikuno art stay 2023 non ribbon art」が会期を終えました。
朝来市文化財の「甲社宅」
2020年から継続的に発表しているリボンアートや、映画「Ribbon」に登場した作品に加え、219体のこけしを使った新作リボンアート「試作 真っ赤童(まっかわらし)の部屋」がお披露目されました。
9日間の展示は遠方からの来場者も多く、生野地域が新たな賑わいに包まれました。
会期中、雪が積もった「生野クラブ」外観。
「生野クラブ」1階は、暗幕で閉ざされた空間。不気味で広い部屋に、のんの作品が並びます。
左がリボンアートのきっかけとなった「未来の知覚」(2020)。右は「キャッシーの絵」(2020)。不思議な能力を持った少女の後姿を力強く描いた作品。中森明夫さんの小説「キャッシー」の表紙絵のために描き下ろしされました。
「願いのリボン」(2021)。紛争や震災などで被害を受けた世界中のこどもたちを支援する「ラブ&ピースプロジェクト」20周年企画で描かれた作品。
おや、部屋の片隅に何かがいます...。
リボンをまとった、こけしたちです。「真っ赤童」という名前のようです。
板張りの廊下を、木の軋む音を感じながら進みます。
奥の部屋まで行くと、こけしたちがずらっと並んだ部屋があります。
暗い部屋にこけしたちの影が伸び、不気味な気配...。
今回のikuno art stayで初お披露目された、のんの新作アート「試作 真っ赤童の部屋」です。
様々な表情、体つきのこけしたちがリボンをまとっています。
すみっこに固まったり、整列したり、様々な場所にいます。
長押(なげし)の上や...
欄間(らんま)の隅にも、真っ赤童たちがお出かけ中...
作品「誰にも」(2020)が飾られている部屋の障子の影にも、
真っ赤童がいました。「生野クラブ」の1階には、全部で8体の真っ赤童がお出かけ中のようです。
展示に参加された皆様は、すべて見つけられましたか?
「生野クラブ」2階は、開放感あふれる光と風のなかで、作品(「お花見、3人こども」(2021))が展示されています。
本作品は、『YOKOHAMA ART STATION project 2020』で公開されたリボンアート。
お花見を駅の中でも楽しめるというコンセプトで作られました。作品に使われているリボンは、のんファンクラブNon Knockのリボン応援隊によって結ばれました。
そして、映画「Ribbon」でのんが着用した「リボン衣装」も展示されています。
次の会場「口銀谷銀山町ミュージアムセンター(旧浅田邸・旧吉川邸)」に向かいます。
雪に映える「リボン衣装」。映画Ribbon、主題歌「ボクだけのモノMV」で木内泰史さん、近藤洋一さんに着用いただいた衣装。
2階には、「いつかの自画像と平井の作品」(2020)が展示。
映画「Ribbon」の主人公、浅川いつかが描いた自画像。背景の木材パネル作品は、いつかの親友・平井の作品として劇中に登場する(平井の作品:妹尾太郎)。
次の会場「甲社宅(9号、19号)」は、俳優・志村喬の生家でもあった明治時代の生活様式を残す貴重な建物。
盆栽にリボンを巻き付けた、「ちょうちょと黒松」(2022)。やんばるアートフェスティバルで発表されたのんの巨大インスタレーション「ちょうちょとガジュマル」に続くリボンアート。協力:東京リボン
ここにも真っ赤童たちが、遊びにきています。
美しい歴史ある古民家と、のんのリボンアートが融合する9日間。
「ikuno art stay 2023 non ribbon art」が無事に会期を終了しました。
たくさんのご来場、ありがとうございました。
つぎに真っ赤童たちが遊びに行く土地はどこになるでしょうか。
また、お会いできる日まで...。