のん公式HP オリジナル ロングインタビュー <前編>

2017.12.11

今回は、のん公式HPでしか読むことの出来ない、のん オリジナル ロングインタビューを、前・後編に分けてご紹介いたします。

ではさっそく<前編>を、どうぞご覧下さいませ!

のんが1stシングルCD『スーパーヒーローになりたい』をリリースした。

この夏、自身のレーベル〈KAIWA(RE)CORD〉を起ち上げ、すでにカセット、アナログEPを発表してきた彼女。

CDには高野寛の作詞・作曲によるタイトル・チューン「スーパーヒーローになりたい」、のん自身が作詞・作曲を手がけ、彼女のギターもフィーチャーされた「へーんなのっ」、カセットに収録され、CD化が熱望されていたサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」(WORLD HAPPINESS 2017 MIX)」と、RCサクセションの「I LIKE YOU」のカヴァーも収録。

女優・“創作あーちすと”としてスタートを切ったのんが、音楽で何を表現し、伝えていくのか、その原点といまの心境を語る。

インタビュー・テキスト/佐野郷子

■地元でのバンド活動が音楽の原点

ーーのんさんと音楽の関わりは、小学生の頃からはじまったそうですね。

小6の頃に友達に誘われてバンドを組んで歌ったのが最初です。
大塚愛さんの「さくらんぼ」とか歌いました。
中学になってからも、Whiteberryとか、フィンガー5の「学園天国」とかバンドでいろんな曲をやりました。

——楽器は最初からギターだったんですか?

はい。エレキ・ギターでした。
いちばん目立つと思って選んだんですよね。

——地元の役場のマサやんという人が、楽器やアンプを地域の子どもたちに貸し出していたそうですね。

そうなんです。マサやんや地元のアマチュア・バンドをやっているおじさんたちが役場の隣のホールで子供たちに楽器を教えてくれたんです。
そこに毎日のように通って、練習してましたね。
親が共働きで私が夕飯作り担当だったのですが、ご飯の支度をサボって家に帰ってすぐホールに行ってギターの練習していました。とにかくバンドやるのが楽しかったです。

——地元のアマチュア・バンドのコンサートにもバンドで出演していたとか。

はい。夏祭りとか地域のイベントにおじさんや若者のバンドに混じって。
三つ目のバンドには妹も誘って、ツイン・ギターでGO!GO!7188のコピーをやって、バンド活動はなんとなくずっとやっていきたいと思っていました。

——地元にいたら、高校でもバンドを続けていた?

はい。東京に来てもバンドは続けたかったんですけど、だんだんフェイドアウトしちゃって。
でも、上京してからも部屋で一人でギターは弾いていました。
高校の頃は、レディオヘッドとか神聖かまってちゃんを聴いていましたけど、ライブはあんまり観に行かなかったですね。
気軽にライブに行くような習慣がないというか。特別感がありました。

書影

■女優・“創作あーちすと”のんの始まり

——あらためて音楽を志すようになったのは?

のんになってからですね。
ずっとギターは弾いていたし、音楽は好きでしたけど、自分でつくったりしてもいいんだと思ったのは。
それからは自分の中で自由な発想が湧いてきて、臆することなくチャレンジしていこうと。のんになって、より好奇心旺盛になったと思います。

——小6でバンドをはじめたり、ギターを弾くようになったりと、元々素養があったのでは?

そうですね。怖いもの知らずというか、自信過剰なところはありますね。

——“創作あーちすと”として、オリジナルキャラクターを描くなどの活動と、音楽の共通点はありますか?

絵を描くのは一人なので、孤独の作業で紙の上だけに集中していきます。
音楽はミュージシャンの方々やスタッフと一緒に積み上げていくのが楽しいです。
人と関わることで発想もどんどん変わっていくのが面白いです。

——デビューに際し、レッスンなどはしたんですか?

ギターは、あらためて高田漣さんにレッスンを受けました。
はい。マサやんに続いて(笑)。
ボイス・トレーニングはSmooth Aceの重住ひろこさんに習いました。
ギターも歌も知らないことがいっぱいで、勉強はあんまり得意じゃないですけど、習うのは楽しいですね。
自分で音楽もつくろうと思ってからは、本格的にやりたいという気持ちが強くなりました。

——昨年は、映画『この世界の片隅に』のヒロインすずの声を演じ、映画も大ヒットとなりました。

声だけの表現は初めてだったので、『この世界の片隅に』はすごく勉強になりました。
片渕監督始めスタッフの方々と観てくださる方達のこの作品を観てほしいという純粋な気持ちが一緒になった稀有な作品だと思います。
そしてコトリンゴさんの音楽が溶け込んで映像の風景や気持ちをダイレクトに届けてくれますよね。

——今年3月にはLINEモバイルのCMに出演、CMで使用されたキリンジ「エイリアンズ」は、その後、堀込泰行がプロデュースを担当し、のんさんがアコースティック・ヴァージョンでカヴァーしました。

本当に素敵な曲ですよね。うっとりします。
堀込さん、最初どんな方なんだろうとドキドキしていたのですが、レコーディングでは色々アドバイスしていただいて、深呼吸タイムを入れてくれたりして緊張がほぐれました。
そのご縁もあって今年の「レコードの日」のキャンペーンも一緒に務めさせてもらいました。

——この春は、スチャダラパーとEGO-WRAPPIN'の「ミクロボーイとマクロガール」のMV出演も話題でした。

あれもすごく楽しかったですね。
私、24歳になるまで鼻血出したことがなかったので、鼻血への憧れがあって(笑)、MVの撮影すごく楽しかったです。
中々鼻血出す役って来ないので、MVのお話いただいたのはすごく嬉しかった。

——のんさんのコメディエンヌとしての才能が炸裂していましたね。

やった!私、おもしろ一番なんですよ。

——そこは関西人の血なんですか?

かもしれない。
関西では面白い子がいると「吉本入ったらエエやん」ってすぐ言うし、ちょっと目指したところもありました(笑)。

いかがでしたか?

続きが気になる<後編>は、2017年12月12日(火)正午に公開予定です。

こちらもどうぞ、お楽しみに!